主なニット生地
天竺
市販のTシャツによく使用されています。
表はメリヤス編み、裏は裏編みと表裏があるため、生地端が丸まりやすい。上下の端は表側に、左右の端は裏側にまるまる性質があります。
布端が丸まりやすく苦手な方も多いですが、裁断後すぐ縫製するなど慣れていくととても扱いやすくなるニット生地です。
単糸の天竺ニットは斜行(生地の編み目が斜めに傾いてしまうこと)が出やすい生地です。
双糸を使ったり度詰めで編んだり、SZ(エスゼット)天竺など斜行の出にくい天竺ニットなど様々な工夫された天竺ニットが生産されています。
SMILEでは「初心者の方にも縫いやすい天竺ニット」をセレクトし、またそういった天竺生地を作っています。
マルチスラブリバー天竺やラフィーリバー天竺など、SMILEでも定番のこれらの天竺ニットは裏糸を通すことにより斜行しにくい方法で編み上げております。
スムース
2つのゴム編みを交互に重ねあわせ、表裏ともメリヤス編みに見える素材です。
平面がなめらかなことが特徴で、スムースというネーミングになったとされています。
Tシャツ、レギンス、スパッツ、肌着、スポーツウェアなどによく使用されています。
スムースニットは適度に伸縮性が抑えられており、柔軟性に優れていて、まくれたりすることがなく非常に安定したニットです。
天竺と違い丸まらないので、初心者の方でも取り扱いやすいニットだと思います。
なめらかな肌触りでベビー服やキッズの洋服(特に肌着など)におすすめの素材です。
裏毛
裏毛とは、表は普通の天竺編み目で、裏糸をパイル状(ループ状)に編み込んで浮かせた生地です。
吸汗性、保温性に優れ、丈夫な布地。トレーナーやカジュアルウエアに使われる。
スウェットとも呼ばれています。
表糸/(中継ぎ糸)/裏糸
⇒この糸番手を裏毛の前につけて、30/10裏毛(さんとううらけ)などと呼びます。
これは表の糸に30番手の糸、裏糸は10番手を使用して編んだ裏毛ということが分かります。
一般的な厚手の裏毛はこの30/10裏毛が多いです。
少し薄手の裏毛ニットになると40番手の表糸と20番手の裏糸を使われることが多い。
40/20ミニ裏毛と呼ばれています。
糸番手とゲージ(度詰め具合)を替えて柔らかいものからどっしりとした厚手の裏毛など様々な裏毛ニットが出来上がります。
また裏毛の裏糸を起毛させて保温性に優れた温かな加工を裏起毛加工といいます。
裏毛起毛などと呼ばれ、裏毛の裏側が起毛し毛布のような肌触りです。
接結ニット
二重織り組織で、薄い生地を二枚張り合わせたような素材。
中に空気を含み、ふんわりととても柔らかい肌触りが最大の特徴です。
ダブルフェイスよりも薄くて柔らかい。
その特性からリラックスウェアやベビーアイテムなどにおすすめです。
ジャガードニット
ジャガードとは糸と糸が交錯したように見える柄のことで、点や線が混ざった複雑な模様が刺繍のように織り込まれているものを言います。
ジャガードニットは編み込みで色柄を施したニットのことで、プリントではなく織りで柄が表現されていることが特徴です。
ポンチ
ダブル編み機で編まれた両面編みで縦横の伸びが少なく、しっかりとした編み地です。
形態安定性があり、比較的厚地でジャケットやコートなどに向いている。
ダブルフェイス
表裏両面を表として使用できる布地。
2枚の布地を貼り合わせたり、縫い付けたりして作られている。
厚地で保温性が高く、冬アイテムに使われることが多い。
鹿の子ニット
平編みとひきあげ編みを交互に組み合わせた組織で表かのこ、裏かのこなどがある。
肌への接面積が少なく、さらりとしている。ポロシャツなどによく使われます。
パイル
地糸の他に立毛となる糸を編み込んでパイルを形成した布地。
パイルをカットしてビロード状になったものをニットベロアといいます。
フリース
主にポリエステル繊維で作られた柔らかく起毛した布地。
パイル状に編み上げた輪の部分をカットして起毛させ毛足を作っています。
軽量で保温性が高く、速乾性にも優れているのでアウトドア使われることが多い。
ウールよりも細い繊維なのでチクチクしません。
スパンテレコ
表目と裏目が同じ数で交互に並んだゴム編みの布地。
スパン糸(ゴム糸)を織り込んで、伸縮性の高い素材です。
主に袖口やネック口、裾のリブなど付属ニットとして使用されます。
スパンフライス
フライスにスパン糸(ゴム糸)を織り込んで、伸縮性に富んだフライスニット。
スパンテレコに比べ、生地の表面は平らなのが特徴。
主に袖口やネック口、裾のリブなど付属ニットとして使用されます。
伸縮性があるのでベビーやキッズのスパッツなどボトム使いにもおすすめの素材です。
糸の番手による厚み
ニットの厚みは糸の太さによって変わります。
糸の番手は数字が小さい方が厚手、大きくなるほど薄手になります。
ネットで生地を購入する際は、厚み比較の目安にしましょう。
また、双糸(そうし)と言う表記を見かけますが、双糸とは2本の糸を撚って編んだものを指します。例えばある太さの糸1本で編んだものと、その半分の細さの糸2本で編んだものとを比べると、見た目はそんなに変わりませんが、細い糸特有のしなやかさが残るという特徴があります。
16番双糸(16/2とも表します)とは16番の糸を2本使って編んでいます。
同じ16番の糸1本に比べると、強度も2倍以上でかなりしっかりしたニットとなります。
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